牛肉の格付けの「A5」とか「A4」ってどんな基準!?「A5」が最高の味って訳じゃないってホント!?

“A5ランク“の意味、理解してる?畜産農家を苦しめる消費者のブランド志向

前にこんな記事を見かけました。

その格付けは「歩留り」と「肉質」で判断される。「歩留り」とは皮、骨、内臓を取り除いた後の「食べられる部分」の量で、A~Cの3段階で評価され、B、Cランクには乳牛も含まれる。また、「肉質」は、サシ(脂肪量)、肉の色沢、脂肪の色沢と質、肉の締まり・きめによって1~5の5段階で格評価される。このアルファベット(歩留り)と数字(肉質)の組み合わせがランクとなり、サシの多い「A5」に近い牛肉ほど高値で取引されている。

ランクの判断の基準はあくまで見た目

 格付けを行っている日本食肉格付協会・青島正恭専務理事は「格付けは昭和36年(1961年)に始まっている。策定時に“こういうお肉がおいしい“という概念で作られているので、完全イコールではなくても、美味しさの基準になっていると考えている」と説明する。しかし、意外にも判定の方法は「厳しい試験をクリアした協会の格付員が見て決める。一切食べません」というのだ。

こんな感じで、味が加味されていない要素で肉の基準は決められており、和牛農家としては、A5評価を受けた牛と、A4評価を受けた牛とで、味はぜんぜん変わらないのにかなりの金額差となることがあり、苦戦を強いられるということがあります。

誰だってA5を育てたい!手を抜いている訳ではない。1頭育てるのにかかる経費は変わりません。味も大差ありません。しかしランクによっては死活問題になることもあります。

ウチだって例外じゃない!今日は牛肉の「A5ランク」最高にウマイ!って訳じゃないってことを皆さんに知ってもらおうと思います。

「A5ランク」の”A”の部分。これは歩留等級です。参考:日本食肉格付協会:牛枝肉取引規格

胸最長筋という丸っこい部分の面積が大きく、バラの厚さの幅があり、皮下脂肪が厚すぎると減点となり、体重での補正があり、A,B,Cが決定されます。

簡単に言うと”A”はたくさん食べれる肉の部分が多くとれた牛。”B”は、それなりに食べれる肉の部分がとれた牛。

”C”はあんまり食べれる肉の部分がとれなかった牛。

ということで、牛肉格付けのABCは、食べられる部分の肉量が多いか少ないかの基準です!

Abema TIMES の中で「農産物流通コンサルタント山本謙治氏」も言ってますが、骨が太いホルスタインの肉がB,Cに格付けされやすいんだよね。

逆に言うと黒毛和牛はAランクの判定を受けやすいってことですね。

そして、デカい枝肉の一部分の断面のみを見て判断するわけですね。(ロースのあたり)

だけどその断面ではいい成績じゃなかったけど、サーロインがすごくいい!とか、他の部位が優秀ってこともある。

手塩に育てた農家から言わせると、そこだけで全体の判断をされるのは腑に落ちないことがやっぱりあるわけですよ!

そして「1,2,3,4,5」という基準。これは完全に見た目ということで、肉質等級という4つの基準のバランスから評価されます。(脂肪交雑、肉の色沢、肉の締まり及びきめ、脂肪の色沢と質)

大ざっばに言うと、いわゆるサシの入り方が重要だということですね。しかも↓こんな感じで、他が良くても一つでも低かったら有無を言わさず低いのに合わせた等級となります。

ここまで見てもらってわかるように、検査員が目だけで判断します!

要は最高ランクの5って言うのは、美人な女性に例えることができますわね。

しかししかし‼世の中のキレイな人の中でも性格(味)は千差万別!

見た目はちょっと”あれ”だけど、性格(味)はバツグン!って人もいますよね!?

まあ、美しいほど味も良いという傾向値はあるのかもしんないけど。

お分かりのとおり、牛肉のA5と言われる基準は味で判断されているわけではないのです。

良い食感の肉としての判断には合っているのかもしれません。サシがきめ細かくて、口に入れた瞬間にほどける!的な牛肉としてなら。

そもそも、この評価制度、昭和36年に制定されて以来、日本人の牛肉に対する嗜好はどんどん高まってきているのに、制度自体の変更がなく昔のままです。

当時と今では牛肉の食べ方も大きく変わってきているのに!

考えてもみてください。お米の食味ランキングって食べて評価しますよね!?

複数人が食べて美味いものが高評価となるわけです。

しかし牛肉は見た目だけなのです。熟成度合など、食べての評価が難しいってのはあります。

じゃあ食べる側のみなさんは何を基準にすればいい?って困りますよね。

近年、味と密接に関係する基準が各地で知られるようになってきました。それは「オレイン酸含有量」

牛肉の味の良し悪しを決める重要な成分”オレイン酸”。おぐにビーフの”おいしさ”のヒミツが今明らかに!?

おぐにビーフは特にオレイン酸を意識して育てているわけではありません。しかし結果としてオレイン酸が非常に高い牛肉たちが生まれています。

それはそれは社長がいろんなエサを試して、実際に肉を食べてみて美味い!と思える研究を長年やってきた結果なんですけども!

ここまで書いといてなんですが、数値にこだわるつもりはありません。一番大事なのは、育てている農家の牛にかける情熱です!

人間で言うところの保護者、要は育てている人間の信用が味に直結すると言えると、おぐにビーフは考えています。

育て方が良いとランクに関係なく美味しくなる。

そんなことで、おぐにビーフは最高の味になるように試行錯誤の末、生み出された餌と環境で育てていますので、たとえランクが4や3になろうが、自信を持って皆さんに美味しいと食べていただけると思って育てています。

格付の真実についてもっと詳しく知りたい方はこの本がオススメ!